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【2026年10月第4週】JEPXスポット価格|電力市場週間レポート(2026年10月19日~10月25日)

2026年10月第4週のJEPX(日本卸電力取引所)スポット市場は、前週から一段と価格水準が切り上がりました。10月19日~25日の週間平均システムプライスは27.68円/kWhとなり、前週10月12日~18日の21.01円/kWhから約31.7%上昇しています。

今週は19日から21日にかけて30円/kWh前後の高い価格が続き、22日に22.41円/kWhまでいったん低下したものの、23日以降も25~27円台を維持しました。夏の冷房需要がほぼなくなった10月下旬としては、かなり高い水準といえます。

特に特徴的だったのが日中価格です。前週は晴天と太陽光発電によって10~14時の平均システムプライスが8.57円/kWhまで低下していましたが、今週は23.39円/kWhまで上昇しました。前週比では約172.9%、約2.7倍です。気象庁の観測でも、関東甲信や東海では10月19~23日にかけて日照時間が平年を下回る状態となっており、太陽光発電量の低下が日中価格を押し上げた可能性があります。

一方、全国一律に価格が上昇したわけではありません。東京、中部、東北など東日本側は週間平均30円前後まで上昇したのに対し、四国は10.24円/kWhにとどまりました。さらに四国、中国、九州などでは日中に0.01円/kWhを記録する時間帯もあり、今週も「東高西低」という地域差が鮮明です。

そして今週、最も注目すべきエリアは再び北海道です。10月20日の北海道エリアでは、早朝5時30分~6時に105.00円/kWhまで上昇しました。その後いったん低下したものの、夕方16時~17時30分には80.00円/kWhが3コマ連続で発生しています。

同じ10月20日には東京・東北でも50円/kWh前後まで上昇しており、日照時間の短縮、太陽光発電量の低下、夕方需要、地域ごとの供給力、連系線制約など複数の要因が重なった一週間だったとみています。

JEPXのスポット市場は翌日に受け渡す電気を取引する一日前市場で、1日を30分単位の48商品に分けて取引します。本記事ではJEPX公表データをもとに、週間平均、日別価格、時間帯別価格、9エリア平均、約定総量、高価格・低価格コマなどを前週と同じ指標で定点観測します。

※本記事に掲載している価格、週間平均、エリア平均、前週比などは、日本卸電力取引所が公表する市場データをもとに筆者が独自に集計・整理したものです。

2026年10月第4週のJEPXスポット価格まとめ

まず、10月第3週と第4週を比較します。

項目10月第3週(10月12日~18日)10月第4週(10月19日~25日)前週比・増減
週間平均システムプライス21.01円/kWh27.68円/kWh+31.7%
週間最高価格39.00円/kWh47.88円/kWh+8.88円
週間最低価格0.01円/kWh8.34円/kWh+8.33円
30円/kWh以上24コマ79コマ+55コマ
40円/kWh以上0コマ15コマ+15コマ
10~14時平均8.57円/kWh23.39円/kWh+172.9%
17~20時平均29.53円/kWh35.19円/kWh+19.2%
週間約定総量約6,698GWh約7,088GWh+5.8%

週間平均だけでなく、高価格となった時間帯の増加が目立ちます。前週は30円/kWh以上が24コマだったのに対し、今週は79コマまで増加しました。40円/kWh以上も15コマ発生しています。

一方、システムプライスの週間最低値は8.34円/kWhで、前週の0.01円/kWhから大きく切り上がりました。今週は日中も全国平均としては価格が下がり切らず、一週間を通じて比較的高い価格帯が維持されたことが分かります。

週間平均は27.68円/kWh|前週比31.7%上昇

19~21日は30円前後の高値が続く

日別では次のように推移しました。

日付日平均最低価格最高価格
10月19日(月)29.90円21.61円44.09円
10月20日(火)31.15円24.15円47.88円
10月21日(水)31.13円24.67円46.45円
10月22日(木)22.41円8.34円36.76円
10月23日(金)25.34円11.90円37.99円
10月24日(土)27.22円25.23円30.20円
10月25日(日)26.58円23.34円31.10円

週前半は明確な高値となりました。19日は29.90円/kWh、20日は31.15円/kWh、21日も31.13円/kWhです。

そのため「21~22日が低水準」というより、21日までは高水準が続き、22日に22.41円/kWhまでいったん低下したと見る方が正確です。

その後23日は25.34円/kWh、土曜日の24日でも27.22円/kWh、日曜日の25日も26.58円/kWhとなりました。通常であれば休日は工場やオフィスの需要が低下し、JEPX価格も下がりやすくなりますが、今週は休日でも20円台後半を維持しています。

冷房需要がほぼなくなっているにもかかわらず高い価格が続いたことから、今週は需要側よりも供給側の条件が市場価格へ強く影響した可能性があります。

天候悪化で太陽光発電量が低下|日中価格が急上昇

10~14時平均は23.39円/kWhへ

今週の市場高騰を分析するうえで最も重要な数字の一つが、日中価格です。

前週の10~14時平均は8.57円/kWhでした。これが今週は23.39円/kWhまで上昇しました。

前週比では172.9%上昇しています。

前週までは晴天によって太陽光発電量が大きくなり、冷暖房需要も少なかったため、日中の市場価格は一桁台まで低下する場面がありました。

しかし今週は天候条件が変化しています。

気象庁によると、関東甲信では10月19~23日の日照時間が平年比97%、東海地方では78%まで低下しました。さらに東日本全体でも、それまで平年を大きく上回っていた日照時間が次第に減少しています。

太陽光発電所は日射量によって出力が大きく変化するため、曇天や雨天が増えれば昼間の供給力が減ります。

夏場であれば太陽光発電量が減っても冷房需要の変化と重なるため分析が難しくなりますが、10月下旬は冷房需要がほとんどありません。その状態で日中価格が大きく上昇したことからも、太陽光発電量を含む供給側の変化が今週の市場価格に影響した可能性が高いと筆者はみています。

夕方17~20時も35.19円/kWhへ上昇

「昼安・夕高」から「昼高・夕方さらに高い」市場へ

17~20時の平均システムプライスも前週29.53円/kWhから35.19円/kWhへ19.2%上昇しました。

時間帯10月第3週10月第4週前週比
10~14時8.57円/kWh23.39円/kWh+172.9%
17~20時29.53円/kWh35.19円/kWh+19.2%

前週までは「昼安・夕高」が秋のJEPXの特徴でした。

ところが今週は、日中価格そのものが20円台まで上昇し、そこから夕方にさらに35円台へ上昇しています。

秋が進むと日の入りが早くなり、太陽光発電所の出力が急速に低下する時間も早まります。一方、17~20時には家庭、店舗、オフィスなどの需要が残っています。

このため、日中の太陽光発電量が少ない日に夕方需要が重なると、需給余力が短時間で小さくなり、30~40円/kWh以上へ価格が上昇しやすくなります。

今後11月に入れば日照時間はさらに短くなるため、夕方の価格上昇は引き続き重要な観測ポイントになりそうです。

エリア別では東京31.87円|東日本・中部が高値

エリア別の週間平均を見ると、今週は東京、中部、東北が30円前後まで上昇しました。

順位エリア10月第3週平均10月第4週平均前週比
1東京25.08円31.87円+27.1%
2中部23.11円30.24円+30.8%
3東北22.28円29.86円+34.0%
4北陸17.76円25.87円+45.7%
5関西17.10円25.85円+51.2%
6北海道17.68円22.35円+26.4%
7中国14.74円20.08円+36.3%
8九州14.70円18.85円+28.2%
9四国11.13円10.24円▲7.9%

東京は31.87円/kWh、中部30.24円/kWh、東北29.86円/kWhとなりました。

前週と比較すると、ほぼすべてのエリアが大きく上昇しています。その中で唯一大きな方向性が異なるのが四国です。

四国は前週11.13円/kWhから10.24円/kWhへさらに7.9%低下し、東京の約3分の1となりました。

地域間の価格差が非常に大きくなっています。

四国は10.24円/kWh|0.01円も20コマ発生

全国高騰の中でも四国だけは低価格

今週は全国的に市場価格が上昇しましたが、四国は例外でした。

四国エリアの週間平均は10.24円/kWhで、9エリアの中で最も低い水準です。

さらに0.01円/kWhとなった時間帯は20コマありました。

エリア0.01円/kWhとなったコマ数
四国20コマ
中国7コマ
九州7コマ
北海道3コマ
東北1コマ

特に10月21~22日の日中は、四国で0.01円/kWhが連続して発生しています。

興味深いのは、21日のシステムプライス日平均が31.13円/kWhだったにもかかわらず、四国では日中0.01円/kWhが発生していることです。

全国平均では市場高騰となっている時間帯でも、エリアによってはほぼゼロ円という価格が同時に存在します。

この極端な価格差は、需要量、地域内の太陽光発電量、火力・水力などの供給力、さらに連系線の制約によって生じます。

JEPXの全国平均を見るだけでは、現在の電力市場を正確に把握しにくくなっていることが改めて分かります。

北海道で105円/kWh|10月20日早朝に市場高騰

5時30分~6時に105円/kWh

今週で最も注目したいのが北海道です。

10月20日の北海道エリアでは、早朝に価格が急騰しました。

時間帯北海道エリア価格
4:00~4:3050.00円/kWh
4:30~5:0055.00円/kWh
5:00~5:3099.90円/kWh
5:30~6:00105.00円/kWh
6:00~6:3050.01円/kWh

5時30分~6時には105.00円/kWhまで上昇しました。

同じ時間帯のシステムプライスは26.81円/kWh、東北・東京は27.72円/kWhでした。

つまり、日本全体の需給が極端にひっ迫したわけではなく、北海道だけが突出して高い価格となっています。

この価格差を見る限り、北海道内の需給条件と、本州から北海道へ電力を送る連系線の制約が強く影響した可能性があります。

なぜ早朝に105円まで上昇したのか

太陽光発電がまだ立ち上がっていない時間帯

5時台という時間が重要です。

この時間帯は、太陽光発電所の発電量がほぼ期待できません。

一方、10月下旬の北海道では朝の気温が低下してくるため、暖房や給湯、家庭・事業所の朝需要が徐々に増える時間帯でもあります。

需要が増え始めるにもかかわらず、太陽光発電という安価な供給力がまだ立ち上がっていないため、火力発電などの供給力への依存度が高くなります。

この状態で北海道内の供給余力が小さくなれば、より価格の高い売り入札まで約定することになり、JEPX価格が急上昇します。

北海道と本州の連系線制約

JEPXでは、全国の売り・買い入札を一度まとめて約定計算します。

しかしエリア間の電力取引量が連系線の空容量を超える場合、その制約を反映してエリアごとに再度約定処理を行います。

これが市場分断です。

JEPXの取引規程でも、エリア間の約定量が連系線の空容量を超える場合には、市場分断処理を行うことが定められています。

北海道に安い電気を送りたくても、北海道と本州を結ぶ連系設備の空容量以上には送ることができません。

そのため、北海道内部で供給力が不足方向へ動けば、北海道だけが100円/kWhを超える価格になることがあります。

今週の105円/kWhについて、個別の発電設備停止など直接的な原因をJEPX公表データだけから特定することはできません。しかし同じ時間帯に東北・東京が27円台だったことから、全国一律の需給ひっ迫ではなく、北海道固有の供給条件や市場分断が関係した可能性が高いと考えています。

10月20日の夕方には北海道80円、東京・東北50円

太陽光発電量が落ちる時間帯に再び高騰

10月20日は朝だけではありませんでした。

夕方にも市場価格が急上昇しています。

時間帯北海道東北東京システムプライス
16:00~16:3080.00円50.00円50.00円45.13円
16:30~17:0080.00円50.00円50.00円47.88円
17:00~17:3080.00円44.20円44.20円45.34円

北海道は3コマ連続で80円/kWhとなり、東北・東京も一時50円/kWhへ上昇しました。

朝の105円とは少し性格が異なります。

夕方は太陽光発電所の出力が急速に低下する一方、家庭・店舗・オフィスなどの需要が残っています。

10月下旬になると日没時刻がさらに早くなり、太陽光発電が市場から離脱するタイミングも早まります。

昼間の太陽光発電量が少ない日に、そのまま夕方の出力低下へ移行すると、火力など調整可能な電源への依存度が急上昇します。

このため東京・東北まで50円/kWhへ上昇したと考えると、市場の動きを理解しやすいでしょう。

「需給調整」が価格へ与える影響

スポット市場と実需給は同じではない

ここで注意しておきたいのは、JEPXスポット市場は実際のリアルタイム需給そのものではないという点です。

スポット市場は前日に翌日の電力を取引する市場であり、その後に発電設備のトラブルや需要予測の変化があれば、時間前市場や需給調整などで修正されます。

JEPX公式でも、スポット市場の後に「不測の発電不調や需要急増」に対応するための時間前市場を開設していると説明しています。

つまり105円や80円という価格は、翌日の供給力や需要を見越した売買入札の結果です。

市場参加者が「この時間帯は供給余力が小さくなる」と判断すれば、高い売り価格まで買わざるを得なくなり、スポット価格は上昇します。

秋から冬へ向かう局面では、気温変化、太陽光発電予測、火力発電所の稼働予定、連系線容量などが価格形成にこれまで以上に影響する可能性があります。

約定総量は約7,088GWh|前週比5.8%増加

週間約定総量は約7,088GWhとなり、前週約6,698GWhから約5.8%増加しました。

日付約定総量
10月19日約1,001GWh
10月20日約1,098GWh
10月21日約1,144GWh
10月22日約1,070GWh
10月23日約1,028GWh
10月24日約870GWh
10月25日約877GWh

平日は1,000GWhを超える日が続き、特に21日は約1,144GWhまで増加しました。

土日は870GWh前後まで低下しましたが、それでもスポット価格は26~27円/kWh台となっています。

JEPX約定量は日本全体の電力需要そのものではありませんが、今週は市場取引量が増加する中で市場価格も大幅に上昇しており、前週より需給環境が引き締まったことを示す一つの材料になっています。

LNG・石炭・原油など燃料価格も上振れ要因

今後のJEPX価格を考えるうえで、無視できないのが発電燃料です。

資源エネルギー庁は、中東情勢が長期化・深刻化した場合にも電力の安定供給を確保できるよう、LNGや石油火力の燃料在庫・調達状況を継続的に確認する方針を示しています。

特に日本のLNG輸入価格は原油価格と一定の連動性を持つ契約が多く、原油価格の上昇が時間差を伴ってLNG調達費へ波及する可能性があります。

財務省の国際収支資料でも、2026年8月の原油価格はドルベースで前年同月比40.9%上昇、円ベースでは53.1%上昇していました。

冷暖房需要が小さい秋であっても、火力発電の燃料原価が上昇すれば、火力発電が限界電源となる時間帯のJEPX価格は下がりにくくなります。

発電燃料価格については当サイトでも継続的に定点観測しています。

▶発電燃料価格 最新データはこちら

筆者の視点|次週10月26日~11月1日のJEPX価格を予測

週間平均24~29円/kWhを予想

筆者は、次週となる2026年10月26日~11月1日の週間平均システムプライスを24~29円/kWh程度と予想します。

中心値は26~27円/kWh程度です。

今週27.68円/kWhから大きく低下するとは予想していません。

指標次週予想
週間平均システムプライス24~29円/kWh
中心予想26~27円/kWh
平日日平均26~31円/kWh
土日日平均20~25円/kWh
日中10~14時15~24円/kWh
夕方17~20時32~42円/kWh
東京週間平均29~34円/kWh
中部週間平均27~32円/kWh
東北週間平均28~34円/kWh
北海道週間平均22~28円/kWh
四国週間平均9~15円/kWh
北海道スパイク時50~100円超の可能性

予想理由① 東日本は引き続き高値圏を予想

次週も東京、東北、中部については比較的高い価格が続くとみています。

今週の週間平均は東京31.87円/kWh、中部30.24円/kWh、東北29.86円/kWhとなりました。

冷房需要はありませんが、平日の業務用・産業用需要に加え、東北では徐々に暖房需要が加わる可能性があります。

また、曇天となれば太陽光発電量が減少するため、冷暖房需要がそれほど強くなくても市場価格が下がりにくくなります。

次週についても東日本は20円台後半から30円台を基本レンジとみています。

予想理由② 北海道・東北では暖房需要が本格化する可能性

10月末から11月初旬になると、北海道・東北では最低気温が一段と低下します。

暖房需要は冷房とは異なり、朝と夜に集中しやすい特徴があります。

太陽光発電がほとんどない早朝に暖房需要が増えれば、今回の北海道105円/kWhのような価格上昇が再び起きる可能性があります。

気象庁の2週間気温予報や季節予報を確認しながら、朝の最低気温がどこまで低下するかを見る必要があります。

予想理由③ 北海道スパイクは今後も継続する可能性

北海道について、毎週100円/kWhを超えるとは予想していません。

しかし50~100円/kWh級の短時間スパイクが再発するリスクは残っているとみています。

今週105円となった時間帯は早朝であり、太陽光発電がほとんど使えない時間です。さらに北海道と本州の電力融通には連系設備の容量制約があります。

急な冷え込み、北海道内の供給力低下、市場分断が同時に重なれば、北海道だけが全国から大きく乖離した価格になる可能性があります。

したがって北海道については、週間平均よりも「最高価格」と「40円以上のコマ数」を重点的に確認した方がよいと考えています。

予想理由④ 日照時間減少で日中価格も高くなりやすい

これまで秋の市場は「昼安・夕高」が特徴でした。

しかし今週は日中平均そのものが23.39円/kWhまで上昇しました。

10月末から11月にかけては日照時間がさらに短くなります。

加えて、気象庁は北陸地方について10月24~30日は低気圧や前線、湿った空気の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多い見込みとしています。

台風第30号も10月26日頃には温帯低気圧へ変わる予想となっており、前線や低気圧の影響によって広い範囲で天候が不安定になれば、太陽光発電量が伸びにくい可能性があります。

このため次週も日中価格が従来の秋より高い状態を維持するとみています。

予想理由⑤ 燃料高がJEPXの下値を押し上げる

最後に燃料価格です。

LNG、石炭、原油などの価格上昇が続けば、火力発電所の限界費用そのものが上昇します。

電力需要が少ない時間帯には太陽光や水力などによって市場価格が大きく下がることがありますが、供給余力が小さい時間帯では火力発電の燃料原価が市場価格へ反映されやすくなります。

そのため、2026年秋のJEPXは過去の低需要期と比べて高い水準が続く可能性があります。

特に「太陽光発電量低下」「暖房需要増加」「燃料高」が同時に進めば、11月に入ってから30円/kWh前後が通常価格となる可能性も視野に入れておきたいところです。

次週も「東高西低」と北海道スパイクに注意

10月第4週は東京31.87円/kWh、中部30.24円/kWh、東北29.86円/kWhに対して、四国は10.24円/kWhでした。

3倍近い価格差です。

この価格差が次週すぐに解消するとは考えていません。

東日本では暖房需要や業務用需要が市場価格を押し上げやすい一方、西日本では冷暖房需要が小さく、晴天時には太陽光発電の供給量が需要を上回りやすい時間帯があります。

さらに北海道は、全国平均とは異なる価格形成をする可能性があります。

次週もJEPXを見る際には、「全国平均」「東日本」「四国・九州」「北海道」という4つの視点に分けて市場を見る必要がありそうです。

まとめ|JEPXは27.68円へ上昇、北海道では105円の市場高騰

2026年10月19日~25日のJEPXスポット市場は、週間平均システムプライスが27.68円/kWhとなり、前週21.01円/kWhから約31.7%上昇しました。

19~21日は日平均30円前後の高値が続き、22日に22.41円/kWhまで一時低下したものの、23日以降も25~27円台と高い価格水準を維持しています。

今週特に大きく変化したのが日中価格です。10~14時平均は前週8.57円/kWhから23.39円/kWhへ約2.7倍に上昇しました。

冷房需要がほとんどないにもかかわらず価格が上昇した背景には、天候悪化による太陽光発電量の低下があった可能性があります。

エリア別では東京31.87円/kWh、中部30.24円/kWh、東北29.86円/kWhと東日本・中部が高値となりました。

一方、四国は10.24円/kWhまで低下し、0.01円/kWhも20コマ発生しています。全国的な市場高騰の中でも、地域によって全く異なる価格形成となりました。

さらに北海道では10月20日早朝に105.00円/kWh、夕方には80.00円/kWhを記録しました。

東京・東北も同日の夕方に50円/kWhまで上昇しています。

早朝の北海道105円については、太陽光発電が使えない時間帯に暖房などの需要が立ち上がり、北海道内の供給余力と本州との連系線制約が重なった可能性があります。

夕方については、太陽光発電量の急減と夕方需要が重なったことで、北海道だけでなく東京・東北まで価格が上昇したと考えています。

次週10月26日~11月1日の週間平均システムプライスについて、筆者は24~29円/kWh、中心値を26~27円/kWhと予想します。

東日本では引き続き高値圏が続き、北海道・東北では暖房需要の増加、全国的には日照時間の短縮、さらにLNG・石炭・原油価格の上昇が市場価格を下支えするとみています。

北海道の100円超については毎週続くとは考えていませんが、50~100円/kWh級のスパイクが再発するリスクは残っています。

2026年秋のJEPX市場は、もはや「低需要期だから安い」と単純に考えられる市場ではありません。

今後は「燃料価格」「太陽光発電量」「暖房需要」「連系線」「エリア間価格差」を同時に確認する必要があります。

EnergyTrendでは引き続き、週間平均、日別価格、時間帯別価格、9エリア平均、高価格・低価格コマ、約定総量を同じ基準で定点観測していきます。

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出典・引用

▶JEPX「スポット市場」の公式ページはこちら
▶JEPX「取引概要・一日前市場」の公式ページはこちら
▶JEPX「市場分断・取引ガイド」の公式ページはこちら
▶JEPX「取引規程」の公式ページはこちら
▶気象庁「2週間気温予報」の公式ページはこちら
▶気象庁「日本の天候の特徴と見通し」の公式ページはこちら
▶気象庁「地域平均気候データ」の公式ページはこちら
▶気象庁「台風情報」の公式ページはこちら
▶資源エネルギー庁「中東情勢を踏まえた火力発電の政策的対応」の公式ページはこちら
▶資源エネルギー庁「エネルギー動向・LNG価格の仕組み」の公式ページはこちら
▶財務省・税関「貿易統計」の公式ページはこちら

※本記事に掲載しているJEPXスポット価格、エリアプライス、時間帯別価格、約定総量などは、日本卸電力取引所が公表する市場データをもとに筆者が独自に集計・整理したものです。価格変動要因については、JEPXの価格形成制度、気象庁の気象データ、資源エネルギー庁のエネルギー関連資料などを踏まえた筆者独自の分析であり、特定の発電設備停止などとの直接的な因果関係を断定するものではありません。また、次週の価格予測は将来の市場価格を保証するものではありません。

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