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【2026年10月第2週】JEPXスポット価格|電力市場週間レポート(2026年10月5日~10月11日)

2026年10月第2週のJEPX(日本卸電力取引所)スポット市場は、週前半の高値から週末にかけて価格が低下し、週内の方向性としては下落傾向となりました。一方、週間平均システムプライスは19.43円/kWhとなり、前週9月28日~10月4日の17.67円/kWhから約9.9%上昇しています。

一見すると「下落傾向なのに週間平均は上昇」という少し分かりにくい結果ですが、これは週前半の価格水準が高かったことに加え、北海道、東北など東日本のエリアプライスが大きく上昇した影響によるものです。

日別では10月5日の23.53円/kWhから始まり、6日21.66円/kWh、7日18.80円/kWh、8日18.14円/kWhと低下しました。その後9日は19.88円/kWhへ一時上昇したものの、10日は17.75円/kWh、11日は16.22円/kWhまで下がっています。

秋の進行に伴って冷房需要は減少しており、晴天時には太陽光発電の出力も確保されたことで、特に日中のスポット価格には強い下押し圧力がかかりました。10時~14時の平均システムプライスは7.75円/kWhとなり、前週10.16円/kWhから23.7%低下しています。

一方で夕方から夜間は全く異なる動きとなりました。17時~20時の平均は28.25円/kWhとなり、前週26.94円/kWhから4.9%上昇しています。特に北海道では10月10日、日中に2円台まで価格が低下した後、夕方から急上昇し、20時台には100円/kWhまで達する強烈なスパイクが発生しました。

今週のJEPXを一言で表すなら、「昼安・夕高に加え、東高西低、さらに北海道だけが突出する時間帯も現れた一週間」といえるでしょう。

JEPXスポット市場は、翌日に受け渡す電気を1日48コマ、30分単位で取引する一日前市場です。本記事ではJEPX公表データをもとに、週間平均、日別価格、時間帯別価格、9エリアの平均価格、約定総量、高価格・低価格コマなどを前週と同じ指標で定点観測します。

※本記事に掲載するスポット価格、週間平均、エリア平均、前週比、約定総量などは、JEPX公表データをもとに筆者が独自に集計・整理したものです。

2026年10月第2週のJEPXスポット価格まとめ

まず、10月第1週と第2週を比較して、市場全体がどのように変化したのか確認します。

項目10月第1週(9月28日~10月4日)10月第2週(10月5日~11日)前週比・増減
週間平均システムプライス17.67円/kWh19.43円/kWh+9.9%
週間最高価格35.73円/kWh40.00円/kWh+4.27円
週間最低価格0.01円/kWh0.01円/kWh変わらず
最高日平均23.62円/kWh23.53円/kWh▲0.09円
最低日平均12.41円/kWh16.22円/kWh+3.81円
30円/kWh以上27コマ20コマ▲7コマ
40円/kWh以上0コマ1コマ+1コマ

週間平均は前週より上昇しましたが、30円/kWh以上となったシステムプライスのコマ数は27コマから20コマへ減少しました。

つまり、全国のシステムプライスだけを見れば極端な高騰が増えたわけではありません。それにもかかわらず週間平均が上昇した背景には、10月5~6日の高値と、週末になっても前週ほど価格が下がらなかったことがあります。

さらに重要なのがエリアプライスです。全国のシステムプライスでは最高40円/kWhでしたが、北海道では100円/kWhを記録しています。エリアごとの需給状況と連系線制約による市場分断が、全国平均だけでは見えない価格差を生み出しました。

JEPX週間平均は19.43円/kWh|週内では下落傾向

10月5日23.53円から11日16.22円へ

日別のシステムプライスを見ると、今週の流れは比較的分かりやすくなっています。

日付日平均最低価格最高価格
10月5日(月)23.53円11.03円34.74円
10月6日(火)21.66円5.00円40.00円
10月7日(水)18.80円1.84円32.54円
10月8日(木)18.14円0.01円29.90円
10月9日(金)19.88円4.10円30.10円
10月10日(土)17.75円2.50円26.31円
10月11日(日)16.22円0.01円26.31円

月曜日の23.53円/kWhから日曜日には16.22円/kWhまで低下しており、週内では下落基調だったことが分かります。

特に10月7日以降は20円/kWhを下回る日が増えました。9月初旬には平日の日平均が25~26円/kWhとなる日も珍しくありませんでしたが、10月に入ってからは夏型の高需要市場から完全に離れつつあります。

冷房需要の減少が最大の理由と考えられます。日中に多少気温が上がっても、朝晩の気温が低くなれば一日を通じた空調使用時間は短くなります。このため、夏場のように朝から夕方まで高い需要が続く状況ではなくなっています。

晴天と太陽光発電が日中価格を大きく押し下げ

10~14時平均は7.75円/kWhへ

今週のJEPXで特に目立ったのが日中価格の低下です。

時間帯10月第1週10月第2週前週比
10時~14時10.16円/kWh7.75円/kWh▲23.7%
17時~20時26.94円/kWh28.25円/kWh+4.9%

10~14時の平均価格は前週より2円以上低下し、7.75円/kWhとなりました。

秋になると日照可能時間そのものは短くなりますが、晴天時の日中であれば太陽光発電の出力は依然として大きくなります。一方、冷房需要は夏より明らかに少なくなっています。

つまり「太陽光発電による供給量はある程度残っているのに、需要だけが大きく減る」という状況が発生しやすく、これが日中価格を一桁台まで押し下げています。

10月8日と11日にはシステムプライスそのものが0.01円/kWhまで低下する時間帯が発生しました。電力需要が少ない時間帯に再生可能エネルギーの供給量が大きくなれば、今後もこうした超低価格が発生する可能性があります。

夕方は28.25円/kWh|「昼安・夕高」がさらに拡大

日中と夕方で20円/kWh以上の差

一方、夕方は前週より価格が上昇しました。

17~20時の平均システムプライスは28.25円/kWhとなり、10~14時の7.75円/kWhと比較すると20.50円/kWhもの差があります。

昼間と夕方で約3.6倍です。

秋になって日の入りが早くなると、太陽光発電所の出力は16~17時頃から急速に低下します。しかし、この時間帯は家庭の帰宅、夕食、店舗・商業施設の営業などで需要が残っています。

このため、日中は0.01円や数円/kWhだった市場が、数時間後には30円/kWh前後へ上昇することがあります。

夏場は「一日を通じて高価格」という市場でしたが、秋は「昼間は非常に安いが、夕方だけ高い」という市場へ変化しています。

今後は週間平均だけを見るよりも、10~14時と17~20時を分けて見る方が市場実態を把握しやすくなるでしょう。

エリア別では東京23.89円が最高

今週のエリア別週間平均を見ると、東日本の価格水準が高いことが分かります。

順位エリア10月第1週平均10月第2週平均前週比
1東京23.27円23.89円+2.6%
2中部23.13円22.90円▲1.0%
3北海道13.63円22.03円+61.6%
4東北18.78円20.77円+10.6%
5北陸14.84円15.97円+7.6%
6関西14.41円15.96円+10.8%
7中国12.18円13.56円+11.4%
8四国9.04円13.23円+46.3%
9九州12.18円12.71円+4.4%

最も高かったのは東京の23.89円/kWhで、中部22.90円/kWh、北海道22.03円/kWh、東北20.77円/kWhと続きました。

東京・中部については引き続き20円台前半の高い価格が続いています。一方、西日本では九州12.71円、中国13.56円、四国13.23円と低く、依然として「東高西低」の価格構造がみられます。

ただし、今回最も注目すべきなのは北海道です。

前週13.63円/kWhだった北海道は22.03円/kWhまで上昇し、前週比61.6%という異例の上昇率となりました。

北海道で100円/kWhの強烈なスパイク

10月10日は日中2円台から夜100円へ

10月10日の北海道エリアは、今週を象徴する極端な値動きとなりました。

10時30分には2.50円/kWh、11時には2.50円、11時30分には2.00円、12時30分にも2.00円/kWhとなりました。

ところが夕方になると価格は一変します。

時刻北海道エリア価格
10時30分2.50円/kWh
11時30分2.00円/kWh
15時30分21.90円/kWh
16時00分50.00円/kWh
16時30分80.10円/kWh
17時30分54.64円/kWh
19時00分80.00円/kWh
19時30分82.01円/kWh
20時00分100.00円/kWh
20時30分100.00円/kWh
21時00分80.10円/kWh

10~14時の北海道エリア平均は約2.88円/kWhでした。

ところが夕方17~20時になると平均約61.99円/kWhまで上昇し、16時以降23時30分までの平均も約63円/kWhとなりました。

これは一般的な「夕方に少し値上がりした」というレベルではなく、需給構造そのものが昼と夜で完全に切り替わったと考えるべき値動きです。

北海道100円スパイクはなぜ発生したのか

太陽光発電低下と夕方需要だけでは説明できない

第一の要因は、太陽光発電量の急速な低下です。

日中は需要が比較的少ない一方で太陽光発電が供給されるため、2円台まで価格が下がりました。しかし日没が近づくにつれて太陽光発電量が減少します。

ここに家庭の夕方需要が重なることで価格は上昇します。

ただし、これだけなら本州でも同程度の価格上昇が起きるはずです。

実際、北海道が100円/kWhとなった10月10日20時のシステムプライスは23.40円/kWh、東北24.74円/kWh、東京24.74円/kWh、中部24.10円/kWhでした。

つまり北海道だけが全国の約4倍の価格になっています。

ここから考えると、北海道固有の供給余力と北海道・本州間の連系線制約が大きく関係していた可能性が高いとみています。

JEPXでは、エリア間の取引量が連系線の空容量を超える場合、エリアごとに再度約定処理を行う「市場分断」が行われます。市場分断が起きれば、他地域で安い電源が余っていても、連系線の能力以上には北海道へ送れません。その結果、北海道エリア内部のより高い価格の売り入札まで約定する必要が生じ、エリアプライスが大幅に上昇します。

10月10日の価格推移を見る限り、北海道が50~100円/kWhへ上昇する一方、東北や東京が20円台にとどまっているため、市場分断またはそれに近い北海道固有の供給制約が価格差に現れたと考えるのが自然です。

ただし、JEPXの価格データだけから「特定の発電所の停止が直接の原因だった」と断定することはできません。

火力発電所の休廃止は北海道高騰に関係しているのか

直接原因とは断定できないが構造的には重要

北海道の100円スパイクを考えるうえで、火力発電所の休廃止は無視できないテーマです。

経済産業省は2026年度の電力需給対策について、発電所の休廃止が進展していることを供給サイドの構造的なリスクの一つとして挙げています。再生可能エネルギーが増える一方、需要が少ない時間帯には火力発電所の稼働率が下がり、採算悪化などを背景として休廃止が進むと、太陽光や風力が発電できない時間帯に使える調整可能な供給力が減少します。

北海道では、奈井江発電所と砂川発電所について2026年度末までに廃止する計画が示されており、奈井江はすでに休止しています。奈井江は計35万kW、砂川は計25万kWの石炭火力で、合計60万kW規模です。

一方、新たな供給力として石狩湾新港火力2号機が2026年12月に運転開始予定とされています。つまり2026年10月時点は、北海道の電源構成が入れ替わる途中のタイミングでもあります。

したがって、10月10日の100円/kWhを「奈井江・砂川の休廃止が原因」と断定するのは適切ではありません。しかし、調整可能な火力電源の休廃止が進めば、太陽光発電が急減する夕方や、暖房需要が急増する日に市場価格が跳ね上がりやすくなるという構造的な影響は十分考えられます。

特に北海道は本州とは連系線で接続されているものの、無制限に電力を融通できるわけではありません。

このため「北海道内の供給力」「本州との連系線」「再生可能エネルギー出力」「需要」が同時に厳しい方向へ動いた場合、他エリアより大きな価格スパイクが発生しやすい点には注意が必要です。

0.01円/kWhも各地で発生

東日本高値でも昼間は超低価格

今週は北海道の100円/kWhが注目されますが、反対側では0.01円/kWhも多数発生しています。

エリア0.01円/kWhとなったコマ数
東北39コマ
四国24コマ
九州19コマ
北海道15コマ
中国15コマ
中部6コマ
北陸6コマ
関西6コマ
東京0コマ

東北では39コマと最も多く、四国24コマ、九州19コマとなりました。

ここでも今週の市場の特徴が表れています。

東北は週間平均20.77円/kWhと全国で4番目に高い価格ですが、日中には0.01円/kWhが39コマも発生しています。

つまりエリア平均が高いからといって、その地域で一日中高値が続いているわけではありません。

日中は再生可能エネルギーによって0.01円、夕方・夜間には30円以上という値動きが同じエリア内で発生しています。

今後は「東日本は高い」「西日本は安い」という地域差だけでなく、「昼間は安い」「夜間は高い」という時間帯差を同時に見ることが重要になります。

約定総量は約6,702GWh|前週比3.9%減少

JEPXスポット市場の週間約定総量は約6,702GWhとなり、前週約6,971GWhから約3.9%減少しました。

日付約定総量
10月5日約961GWh
10月6日約1,022GWh
10月7日約1,013GWh
10月8日約993GWh
10月9日約982GWh
10月10日約886GWh
10月11日約846GWh

平日はおおむね1,000GWh前後で推移しましたが、土曜日は約886GWh、日曜日は約846GWhまで減少しています。

JEPXの約定総量は国内全体の電力需要そのものではありませんが、平日と休日の需給環境の違いを把握する参考になります。

週末に約定量が減っているにもかかわらず、北海道だけは夜間に100円/kWhまで上昇した点からも、今回の北海道高騰が単純な全国需要の増加ではなく、地域固有の需給バランスによるものだった可能性が高いと考えています。

燃料価格と円安も秋冬の価格上昇リスク

今後のJEPXを見るうえでは、LNG、石炭など発電燃料の調達環境も重要です。

資源エネルギー庁は中東情勢を踏まえ、LNG調達の不確実性が高まっているとして在庫や調達状況のモニタリングを継続しています。また、LNG節約のため、2026年度は非効率石炭火力の稼働抑制措置を緊急的に適用しない対応も示しています。

加えて、財務省の2026年8月国際収支統計では、ドル円相場の月中平均は1ドル158.74円となり、前年同月147.67円と比較して7.5%の円安でした。LNGや石炭などの燃料はドル建てで調達されるケースが多いため、円安は円換算した燃料費を押し上げる要因になります。

このため冷暖房需要が小さい秋であっても、燃料価格と為替によって火力発電の限界費用が高止まりすれば、従来の秋季よりJEPX価格が高めに推移する可能性があります。

発電燃料市場については、当サイトでも継続して定点観測しています。

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次週10月12日~18日のJEPX価格を予測

週間平均18~22円/kWh、中心値は20円前後を予想

当サイトは、2026年10月12日~18日の週間平均システムプライスを18~22円/kWh程度と予想します。

中心値は20円/kWh前後です。

指標次週予想
週間平均システムプライス18~22円/kWh
中心予想20円前後
平日日平均19~23円/kWh程度
土日日平均15~19円/kWh程度
10~14時5~12円/kWh程度
17~20時27~35円/kWh程度
東京週間平均23~27円/kWh程度
中部週間平均22~26円/kWh程度
東北週間平均20~24円/kWh程度
北海道週間平均21~27円/kWh程度
北海道スパイク時50~100円/kWh程度

全国平均だけを見ると、今週19.43円/kWhから大きくは変わらないと考えています。

しかしエリア別では、北海道・東北と西日本の価格差がさらに拡大する可能性があります。

予想理由① 全国では冷房需要がさらに減少

全国的には、10月中旬に入り冷房需要は一段と減少するとみています。

関東や中部で多少気温が上昇する日があっても、夏のように朝から夜まで空調が必要な気温ではありません。

このため東京・中部についても、平日日中の需要そのものは9月より弱くなるでしょう。

一方、都市圏では業務用・産業用需要が大きいため、平日の東京・中部は引き続き全国平均より高い水準になりやすいと考えています。

予想理由② 北海道・東北では暖房需要が立ち上がる

次週で最も注目したいのは北日本です。

気象庁の10月10日~11月9日の平年値を見ると、北海道では札幌の1週目平均気温が12.7℃、旭川9.9℃、帯広10.8℃となっています。東北でも青森14.1℃、盛岡13.2℃など、朝晩を中心に暖房が意識される気温へ移行していく時期です。

今週すでに北海道の週間平均は22.03円/kWhまで上昇し、東北も20.77円/kWhとなりました。

次週さらに気温が下がれば、北海道・東北では冷房需要がなくなる一方、暖房需要が増え始めます。

特に朝と夕方以降に電力需要が増えれば、太陽光発電が少ない時間帯と重なるため、スポット価格には上昇圧力がかかります。

予想理由③ 北海道のスパイクは再発する可能性あり

筆者は、北海道で10月10日と同じ100円/kWhが毎日のように発生するとは考えていません。

しかし、再発リスクそのものは低くないとみています。

理由は、「日照時間の減少」「暖房需要の増加」「地域内供給力」「北海道・本州間連系線」という複数の要因が同時に価格へ影響するためです。

通常時であれば北海道の週間平均は21~27円/kWh程度を想定します。しかし急激な冷え込みや発電設備の停止、連系線制約が重なれば、短時間で50円、80円、100円/kWhまで上昇する可能性があります。

一方、晴れた日中には太陽光発電や需要減少によって0.01~数円/kWhまで低下する可能性もあります。

今後の北海道は「平均価格が高い」というより、「価格変動幅が極端に大きい市場」として見る必要がありそうです。

予想理由④ 日照時間減少で夕方の価格はさらに高くなりやすい

10月も中旬になると、日没時間はさらに早まります。

今週すでに日中平均7.75円/kWhに対し、夕方17~20時は28.25円/kWhとなりました。

日中価格の3倍以上です。

今後、太陽光発電の発電可能時間はさらに短くなります。一方で夕方需要そのものは残るため、17~20時の市場価格が30円/kWh前後で推移する日は増えると予想しています。

東日本で気温が低下して暖房需要まで重なれば、この時間帯は35~40円/kWh以上となる可能性もあります。

予想理由⑤ LNG・石炭・円安が下値を支える

最後に燃料費です。

中東情勢によってLNG調達の不確実性が残り、さらに円安が続けば、ドル建てのLNGや石炭を円換算した燃料コストは上昇しやすくなります。

電力需要が弱い秋であれば、本来はJEPX価格も大きく低下する時期です。

しかし燃料原価が高止まりすれば、火力発電が限界電源となる時間帯の市場価格も下がりにくくなります。

そのため筆者は、2026年秋については「昼間は非常に安いが、週間平均や夕方価格は従来の秋ほど下がらない」という展開を基本シナリオとしています。

次週も東日本高・西日本安が続く可能性

今週は東京23.89円/kWh、中部22.90円/kWh、北海道22.03円/kWh、東北20.77円/kWhとなる一方、九州12.71円/kWh、四国13.23円/kWh、中国13.56円/kWhでした。

筆者は次週もこの傾向が続く可能性が高いとみています。

西日本は気温が比較的高くても冷房を本格的に使用する水準ではなく、晴天時には太陽光発電量が大きくなるため日中価格が低下しやすい状態です。

一方、東京・中部では平日の業務用需要が大きく、北海道・東北では暖房需要という新しい需要要因が立ち上がり始めます。

このため、全国平均だけを見ると20円前後でも、実際には東日本20円台、西日本10円台という地域差が続く可能性があります。

まとめ|JEPXは北海道100円スパイク、東西格差が鮮明に

2026年10月5日~11日のJEPXスポット市場は、週間平均システムプライスが19.43円/kWhとなり、前週17.67円/kWhから約9.9%上昇しました。

ただし週内では、10月5日の23.53円/kWhから11日の16.22円/kWhまで下落しており、市場の方向性としては週後半へ向かって価格が低下しています。

気温低下によって冷房需要が減少したほか、晴天時の太陽光発電量が日中価格を押し下げ、10~14時平均は7.75円/kWhまで低下しました。一方、夕方17~20時は28.25円/kWhとなり、「昼安・夕高」の傾向がさらに強くなっています。

エリア別では東京23.89円/kWh、中部22.90円/kWhに加え、北海道22.03円/kWh、東北20.77円/kWhと東日本が高い価格となりました。

特に北海道は前週比61.6%上昇しました。10月10日には日中2円台だった価格が夕方から50円、80円と上昇し、20時と20時30分には100円/kWhを記録しています。

同じ時間の東北や東京は20円台であったことから、単純な全国的需要増ではなく、北海道固有の需給バランスと市場分断が価格上昇に影響した可能性が高いとみています。

火力発電所の休廃止を10月10日の直接原因と断定することはできませんが、北海道では奈井江・砂川など老朽火力の休廃止が進み、新たな石狩湾新港火力2号機の運転開始は2026年12月予定です。調整可能な供給力の減少は、中長期的に価格スパイクを起こしやすくする構造要因として注視する必要があります。

次週10月12~18日の週間平均システムプライスについて、筆者は18~22円/kWh、中心値を20円前後と予想します。

全国的には冷房需要が減少する一方、北海道・東北では暖房需要が立ち上がり、東京・中部は平日の需要が引き続き高くなる可能性があります。さらに日照時間短縮による太陽光発電量減少、LNG・石炭など発電燃料価格、円安も市場価格の下値を支える材料です。

特に北海道については、通常時でも20円台前半から後半で推移しながら、急な冷え込み、発電設備停止、連系線制約などが重なれば再び50~100円/kWhのスパイクが発生する可能性があります。

2026年秋のJEPX市場は、「夏が終わったから価格が下がる」という単純な市場ではなくなっています。

今後は全国平均だけではなく、「東日本と西日本」「昼間と夕方」「北海道と本州」という3つの価格差を同時に観測することが重要になりそうです。

EnergyTrendでは引き続き、週間平均、日別価格、時間帯別価格、9エリア平均、約定総量、高価格・低価格コマを同じ基準で定点観測していきます。

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出典・引用

▶JEPX「スポット市場」の公式ページはこちら
▶JEPX「取引概要・一日前市場」の公式ページはこちら
▶JEPX「取引規程・市場分断処理」の公式ページはこちら
▶気象庁「2週間気温予報」の公式ページはこちら
▶気象庁「季節予報」の公式ページはこちら
▶経済産業省「2026年度夏季の電力需給対策」の公式ページはこちら
▶資源エネルギー庁「火力発電の役割・休廃止に関する資料」の公式ページはこちら
▶経済産業省「北海道電力の燃料費・奈井江・砂川発電所に関する資料」の公式ページはこちら
▶経済産業省「北海道の火力発電所休廃止計画」の公式ページはこちら
▶資源エネルギー庁「中東情勢を踏まえた火力発電の政策的対応」の公式ページはこちら
▶財務省「2026年8月国際収支・ドル円相場」の公式ページはこちら

※本記事に掲載しているJEPXスポット価格、エリアプライス、時間帯別価格、約定総量などは、日本卸電力取引所が公表する市場データをもとに筆者が独自に集計・整理したものです。端数処理などにより表示値にわずかな差が生じる場合があります。また、北海道の価格スパイクを含む価格変動要因については、公表価格、市場制度、気象条件、電源構成などをもとにした筆者独自の分析であり、個別発電設備の停止等との直接的な因果関係を断定するものではありません。次週予測についても将来の市場価格を保証するものではありません。

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