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【2026年10月第5週】JEPXスポット価格|電力市場週間レポート(2026年10月26日~11月1日)

2026年10月第5週のJEPX(日本卸電力取引所)スポット市場は、前週に続き、東日本を中心に高い価格水準が続く一週間となりました。10月26日~11月1日の週間平均システムプライスは25.44円/kWhとなり、前週10月19日~25日の27.68円/kWhから約8.1%低下しました。

週間平均では前週を下回ったものの、10月26日は32.97円/kWh、10月30日は31.72円/kWhを記録するなど、日によっては30円/kWhを超える高値が続いています。特に天候が不安定な地域では、太陽光発電の出力低下や需給バランスの変化が、スポット価格を押し上げた可能性があります。

今週も注目したいのは、東日本と西日本の価格差です。東京エリアの週間平均は31.14円/kWhと高水準を維持した一方、四国エリアは12.91円/kWhにとどまりました。四国では10月26日の日平均が7.85円/kWhとなり、10円を下回る日も発生しています。

また、日中には複数のエリアで0.01円/kWhという極端な安値を記録しました。その一方、北海道エリアでは10月26日に50.00円/kWhまで上昇する時間帯があり、地域によって電力の市場価値が大きく異なる状況が続いています。

前週の北海道では105.00円/kWhという極端な価格高騰が発生しましたが、今週は100円を超えるようなスパイクは見られませんでした。ただし、夕方から夜間にかけて価格が上昇する場面は多く、北海道特有の需給変動リスクが解消したとはいえない状況です。

本記事では、JEPXが公表するスポット市場データをもとに、週間平均、日別価格、時間帯別価格、9エリア平均、約定総量、高価格・低価格コマなどを、前週と同じ指標で定点観測します。さらに、11月に入り本格化する暖房需要や太陽光発電量の変化、燃料価格の動向を踏まえ、次週11月2日~8日の電力市場についても予測します。

※本記事の価格・約定量は、JEPX公表データをもとに筆者が独自に集計したものです。11月1日分については、10月31日時点で公表されている翌日受渡分の約定結果を使用しています。

2026年10月第5週のJEPXスポット価格まとめ

まずは、10月26日~11月1日の主要指標を前週と比較してみましょう。

指標10月第4週10月第5週前週比
週間平均システムプライス27.68円25.44円-8.1%
日中平均(10~14時)23.39円15.32円-34.5%
夕方平均(17~20時)35.19円32.89円-6.5%
東京エリア平均31.87円31.14円-2.3%
北海道エリア平均22.35円22.90円+2.5%
四国エリア平均10.24円12.91円+26.1%
北海道の最高価格105.00円50.00円-52.4%
週間約定総量約7,088GWh約6,953GWh-1.9%

※価格単位は円/kWh。前週比は小数点以下の未丸め数値から算出。日中平均は10時~14時、夕方平均は17時~20時の各30分コマの単純平均。

今週は週間平均が約8%低下した一方で、東京エリアの下落幅は約2%にとどまりました。また、北海道エリアは前週から小幅に上昇しています。

注目したいのは、日中平均が大きく下落した一方、夕方平均は依然として30円/kWhを超えている点です。太陽光発電の出力が得られる日中と、発電量が減少する夕方では、価格形成に大きな違いが見られました。

週間平均は25.44円/kWh|前週から8.1%下落

10月第5週の週間平均システムプライスは25.44円/kWhとなり、前週の27.68円/kWhから2.23円低下しました。

前週は10月19日~21日に30円/kWh前後の高値が続いていましたが、今週は10月26日と30日に30円を超えた一方、週末にかけて価格が大きく低下しています。

日別システムプライスの推移

受渡日日平均価格日内最高価格
10月26日(月)32.97円40.84円
10月27日(火)27.72円39.00円
10月28日(水)23.42円35.48円
10月29日(木)26.71円38.37円
10月30日(金)31.72円40.70円
10月31日(土)18.37円29.03円
11月1日(日)17.20円28.76円

最も高かったのは10月26日の32.97円/kWhで、次いで10月30日の31.72円/kWhとなりました。両日とも日内最高価格は40円/kWhを超えています。

一方、10月31日は18.37円/kWh、11月1日は17.20円/kWhまで低下しました。平日と週末で市場環境が大きく異なっていることが分かります。

この動きは、単純に電力需要だけで説明できるものではありません。天候による太陽光発電量の変動、火力発電などの供給力、エリア間の電力融通、需要の時間帯別変化などが複合的に影響したと考えられます。

10月26日・30日は高値|悪天候による太陽光発電の出力低下も影響か

今週は10月26日と30日のシステムプライスが特に高い水準となりました。

両日とも日平均が30円/kWhを超えており、30分単位の最高価格も40円/kWhを上回っています。秋が深まり、冷房需要が落ち着いている時期としては、決して安い価格水準とはいえません。

秋の天候変化がスポット価格に影響

10月下旬は低気圧や前線の影響を受ける地域もあり、天候が不安定になりやすい時期です。

太陽光発電は日射量によって出力が変化するため、曇天や降雨が続けば、日中であっても発電量が十分に確保できない場合があります。

気象庁が10月29日に発表した1か月予報でも、北日本では期間のはじめに気温が低くなる可能性が高く、北日本や東日本では日照時間が平年並みか少なくなる可能性が示されています。気象庁+1

ただし、今回のJEPX価格上昇について、天候だけを直接的な原因と断定することはできません。発電設備の稼働状況や連系線の制約などについても確認が必要です。

それでも、今後の電力市場を予測するうえでは、気温だけでなく日照時間と太陽光発電量を合わせて観測する重要性が高まっていると考えています。

日中平均は15.32円/kWh|前週から34.5%下落

10月第5週の10~14時における平均システムプライスは15.32円/kWhとなりました。

前週の23.39円/kWhから約34.5%低下しており、週間平均価格以上に大きな下落となっています。

太陽光発電の影響が時間帯別価格に表れる

今週の日中価格は、10月26日や30日のように高値が続く日がある一方、太陽光発電の供給が相対的に豊富な時間帯には価格が大幅に下落しました。

特に西日本では0.01円/kWhを記録するエリアもあり、同じ時間帯でも地域ごとに需給環境が大きく異なっていたことが分かります。

資源エネルギー庁も、再生可能エネルギーは季節や天候によって発電量が変動し、火力発電などによる出力調整が必要になることを説明しています。エネチェンジ

一方、11月以降は日照時間がさらに短くなり、太陽光発電の出力が期待できる時間帯も徐々に短縮されます。晴天時には安値が出る可能性があるものの、秋から冬にかけて日中価格がどこまで低下するのかは、引き続き注目したいところです。

夕方17~20時は32.89円/kWh|高値が続く

10月第5週の17~20時における平均システムプライスは32.89円/kWhとなりました。

前週の35.19円/kWhから約6.5%低下したものの、週間平均の25.44円/kWhを大きく上回っています。

日没後の需給変化に注意

秋から冬にかけては日没が早くなり、夕方の太陽光発電量が減少します。その一方で、家庭では照明や暖房の使用が増え始めるため、時間帯によって電力需要が集中しやすくなります。

今週は日中の価格が前週から大きく低下しましたが、夕方の価格は比較的高い水準を維持しました。この差は、太陽光発電の出力が市場価格に与える影響を考えるうえでも興味深い結果です。

11月以降は、北海道や東北を中心に暖房需要が増加する可能性があります。日中の余剰供給があっても、夕方には需給が引き締まるという状況が続くのではないでしょうか。

エリア別平均価格|東京31.14円、四国12.91円

今週も、東日本と西日本で明確な価格差が生じました。

特に東京エリアは31.14円/kWhと高く、四国エリアの約2.4倍となっています。

9エリアの週間平均価格

エリア10月第4週10月第5週前週比
北海道22.35円22.90円+0.55円
東北29.86円25.38円-4.48円
東京31.87円31.14円-0.73円
中部30.24円27.97円-2.27円
北陸25.87円22.45円-3.42円
関西25.85円22.45円-3.40円
中国20.08円16.42円-3.66円
四国10.24円12.91円+2.67円
九州18.85円16.02円-2.83円

※各エリアの30分単位価格を336コマで単純平均。前週の数値も同じ方法で再集計。

東京エリアは終始高水準で推移

東京エリアは週間平均31.14円/kWhとなり、前週の31.87円/kWhからわずかな低下にとどまりました。

日平均では10月26日に35.73円/kWh、10月30日に34.07円/kWhを記録しています。最も安かった11月1日でも26.15円/kWhとなっており、他のエリアと比較して高値が続きました。

東京エリアでは今週、0.01円/kWhのような極端な安値は一度も発生していません。30円/kWh以上を記録した時間帯は336コマ中201コマに達しており、約6割の時間帯で高値が続いたことになります。

東京エリアにおける価格の下がりにくさは、来週の電力市場でも注目すべきポイントです。

中部・東北も高値が続く

中部エリアの週間平均は27.97円/kWh、東北エリアは25.38円/kWhとなりました。

いずれも前週から低下していますが、全国的に見ると依然として高い水準にあります。

一方で東北は、10月28日に日平均20.67円/kWhまで低下するなど、東京よりも価格変動が大きくなっています。

今週の市場は単純な「東高西低」だけでなく、東日本のなかでも地域差が拡大する場面があったことが特徴です。

四国エリアは日平均10円以下も|西日本の安値が目立つ

今週、比較的安い価格が続いたのが四国エリアです。

週間平均は12.91円/kWhとなり、前週の10.24円/kWhから上昇したものの、全国9エリアでは最も安い水準でした。

10月26日は日平均7.85円/kWh

受渡日四国エリア日平均
10月26日7.85円
10月27日13.13円
10月28日14.47円
10月29日16.75円
10月30日17.74円
10月31日11.44円
11月1日9.01円

10月26日はシステムプライスが32.97円/kWhだったにもかかわらず、四国エリアは7.85円/kWhにとどまりました。

また、11月1日も9.01円/kWhとなり、日平均で10円を下回っています。

このような地域差が生じる背景には、エリア内の供給力、需要、再生可能エネルギーの発電状況、他エリアとの連系線の利用可能容量など、さまざまな要因があります。

電力の供給余力がある地域であっても、連系線に制約がある場合には、高値となっている他エリアに十分な電力を送れないことがあります。

四国エリアの低価格は、地域間の電力需給が必ずしも一体化していないことを示す結果ともいえるでしょう。

0.01円/kWhの安値が複数エリアで発生

今週もJEPXスポット市場では、0.01円/kWhという極端に低い価格が発生しました。

特に四国、中国、九州では、この価格を記録した時間帯が多くなっています。

エリア別0.01円/kWhの発生回数

エリア0.01円の発生コマ数
北海道10コマ
東北17コマ
東京0コマ
中部8コマ
北陸8コマ
関西8コマ
中国24コマ
四国32コマ
九州26コマ

※1コマは30分。対象期間は336コマ。エリアごとに集計しているため、同時刻の発生は重複して数えています。

四国エリアでは32コマ、合計16時間相当の時間帯で0.01円/kWhを記録しました。

ただし、これは16時間連続して安値が続いたという意味ではありません。

一方、東京エリアでは0.01円/kWhが一度も発生せず、期間中の最低価格も10.64円/kWhでした。

同じ日本の卸電力市場であっても、価格形成が大きく異なっていることが分かります。

再生可能エネルギーの導入が進むなか、日中の余剰供給による価格下落と、夕方の需給逼迫による価格上昇が同じ日に起こるケースは、今後も重要な観測対象になると考えています。

北海道では50円/kWh|100円超のスパイクは発生せず

今週の北海道エリアで最も高かった価格は、10月26日の50.00円/kWhでした。

前週10月20日には105.00円/kWhを記録していたことから、極端な価格高騰はひとまず落ち着いた形となりました。

ただし、北海道の週間平均は22.90円/kWhとなり、前週の22.35円/kWhから小幅に上昇しています。

北海道の価格高騰は一服したのか

指標前週今週
週間平均価格22.35円22.90円
期間中の最高価格105.00円50.00円
50円以上のコマ数15コマ1コマ
30円以上のコマ数90コマ113コマ

北海道エリアでは50円/kWh以上の価格を記録した時間帯が、前週の15コマから今週は1コマに減少しました。

その一方、30円/kWh以上の時間帯は90コマから113コマへ増加しています。

つまり、100円を超えるような極端なスパイクは収まったものの、中程度の高値が発生する時間帯はむしろ増えているのです。

この点は、週間平均や最高価格だけを見ていると見落としやすい変化です。

夕方から夜間にかけて価格が急上昇

北海道では、日中に価格が低下した後、夕方から夜間にかけて急上昇する場面が見られました。

特に10月26日は、21時~21時30分のコマで50.00円/kWhを記録しています。

秋から冬にかけては気温が低下し、暖房や給湯などの電力需要が増える可能性があります。

北海道は本州との連系設備に容量上の制約があるため、域内の需給状況が価格に反映されやすい場面があります。ただし、今回の50円への上昇について、連系線の制約が直接の原因だったと断定するものではありません。

来週以降も、北海道の夕方から夜間の価格には注意が必要です。

約定総量は約6,953GWh|前週比1.9%減少

今週のJEPXスポット市場における週間約定総量は約6,953GWhとなりました。

前週の約7,088GWhから約1.9%減少しています。

日別約定総量

受渡日約定総量
10月26日約1,010GWh
10月27日約1,038GWh
10月28日約1,050GWh
10月29日約1,024GWh
10月30日約1,033GWh
10月31日約904GWh
11月1日約894GWh
週間合計約6,953GWh

今週は平日が概ね1,000GWhを超えていた一方、土曜日と日曜日は900GWh前後まで減少しました。

週末の価格低下には、工場や事業所などの稼働状況の変化による電力需要の減少が影響した可能性があります。

ただし、JEPXの約定総量は日本全体の電力消費量そのものではありません。相対契約や自社電源など、市場外で調達される電力もあるため、約定量の増減だけから全国の電力需要を直接判断することはできません。

今後も、約定総量とスポット価格の動きを合わせて確認していきます。

LNG・石炭・原油価格は高止まり|火力発電コストも注視

電力市場の価格形成を考えるうえで、発電燃料価格の動向は欠かせません。

日本の火力発電ではLNGや石炭などが使用されており、国際的な燃料価格の上昇は発電コストを押し上げる要因になります。

10月末時点では、LNG、石炭、原油などの国際市場価格が高い水準で推移しており、燃料調達コストの先行きにも注意が必要です。

燃料価格の上昇はJEPX価格に直結するのか

資源エネルギー庁の資料でも、日本のLNG輸入価格には原油価格と連動する契約が多く存在することが説明されています。エネチェンジ

もっとも、スポット市場の価格が燃料価格にそのまま連動するわけではありません。

実際の市場価格は、各時間帯の入札状況や需給、発電設備の稼働状況などによって決まります。また、長期契約で調達した燃料と、足元の国際市場価格では価格形成に時間差があります。

そのため、燃料価格が高止まりしている局面でも、太陽光発電などの供給が豊富な時間帯には0.01円/kWhまで下落することがあります。

反対に、日没後や悪天候時など、追加的な火力発電が必要になる時間帯では、燃料コストの高止まりが価格の下がりにくさにつながる可能性があります。

今後は、LNGだけでなく石炭や原油価格、為替相場の変化も合わせて観測する必要があるでしょう。

なお、主要燃料の市場価格は、当サイトの「発電燃料価格 最新データ」でも確認できます。

次週11月2日~11月8日のJEPX価格を予測

11月に入り、電力市場は秋から冬への移行期を迎えます。

次週11月2日~8日は、北海道や東北を中心とした気温低下、暖房需要の増加、日照時間の短縮、燃料価格の高止まりなどが市場価格に影響すると考えています。

筆者としては、次週も基本的には東日本が高く、西日本が安い「東高西低」の傾向が続くと予測しています。

次週のシステムプライスは22~29円/kWhを予測

今週の週間平均システムプライスは25.44円/kWhでした。

次週については、週間平均で22~29円/kWh程度を中心シナリオとして想定しています。

指標次週予測
週間平均システムプライス22~29円/kWh
平日日平均25~34円/kWh
週末日平均15~23円/kWh
日中平均(10~14時)10~22円/kWh
夕方平均(17~20時)30~40円/kWh
システムプライスの想定上値40~50円/kWh

※筆者による独自予測であり、JEPXや官公庁による公式見通しではありません。価格は天候、発電設備の停止、連系線の状況などによって想定範囲を超える場合があります。

11月3日は文化の日の祝日にあたり、平日であっても工場や事業所の稼働状況が通常と異なる可能性があります。

そのため、11月2日と4日~6日の価格に比べ、3日は相対的に低くなる展開も考えられます。

一方、平日に悪天候が重なった場合には30円/kWhを超える日が発生する可能性も十分にあるとみています。

次週の9エリア別価格予測

エリア今週平均次週予測
北海道22.90円23~32円
東北25.38円24~32円
東京31.14円29~36円
中部27.97円25~33円
北陸22.45円20~28円
関西22.45円20~28円
中国16.42円13~21円
四国12.91円10~18円
九州16.02円12~21円

※いずれも11月2日~8日の週間平均価格に対する筆者独自の予測レンジです。

東京エリアは引き続き30円/kWh前後の高値が続く可能性があると予測しています。

北海道と東北については、気温低下による暖房需要の増加が価格を押し上げる要因になると考えています。

一方、四国や九州は相対的に安い価格が続く可能性があります。ただし、西日本でも悪天候が続いて太陽光発電の出力が低下した場合には、現在の価格差が縮小することも考えられます。

来週も東日本は高値が続くのか

筆者は、次週も東京を中心とした東日本の高値基調が続く可能性が高いと考えています。

その理由は、今週の東京エリアで価格が下がりにくい状態が続いていたためです。

東京では今週、日平均が最も安い日でも26円を超え、30円/kWh以上の時間帯が全体の約6割を占めました。

日中に価格が低下する日があったとしても、週間平均を大きく押し下げるほどの安値が続くとは限りません。

また、11月に入ると太陽光発電の出力が得られる時間帯が短くなります。

仮に日中の電力需給が緩和しても、夕方以降の価格が高くなる傾向は残るのではないでしょうか。

ただし、東京エリアの高値が今後も固定化すると判断するのは早計です。天候の回復や供給力の増加などによって、価格が大きく低下する可能性もあります。

北海道のスパイクは今後も継続するのか

北海道については、次週以降も高値が発生する可能性があると予測しています。

特に注目しているのが、気温低下による暖房需要の増加です。

気象庁が10月29日に発表した1か月予報では、10月31日~11月6日の北日本の平均気温について、平年より低くなる確率が70%と予測されています。気象庁

北海道の一時的な高値は60~80円も想定

今週は最高50円/kWhとなりましたが、次週は気温や供給力の状況次第で、再び60~80円/kWh程度まで上昇するケースも想定しています。

ただし、これは通常時に予想する価格帯ではなく、需給が引き締まった場合の上振れリスクです。

価格指標北海道の次週予測
週間平均23~32円/kWh
通常時の高値時間帯35~50円/kWh
需給逼迫時の上振れ想定60~80円/kWh
100円超の再発基本シナリオには織り込まず

前週のような105円/kWhのスパイクが再び発生するとは限りません。

実際、今週は最高価格が50円にとどまり、極端な高値の発生回数は減少しています。

しかし、30円以上の時間帯が増加していることを考えると、北海道の需給環境が全面的に緩和したと判断することも難しい状況です。

暖房需要の増加に加え、発電設備のトラブルや連系線の制約などが重なれば、短時間で価格が急上昇する可能性は残ります。

筆者としては、週間平均よりも夕方から夜間の最高価格や30円以上の発生コマ数に注目したいと考えています。

11月は暖房需要と太陽光発電の減少に注意

11月の電力市場で注視したいのは、暖房需要が増え始める一方で、太陽光発電の供給力が低下していく点です。

夏場は冷房需要の増加によってスポット価格が上昇することがありますが、冬場は暖房や給湯による需要増加が市場価格に影響します。

特に北海道や東北では、地域によって暖房機器の電力使用量が増えることが考えられます。

日照時間の短縮が夕方価格を押し上げる可能性

秋から冬にかけては、太陽の高度が低下し、日照時間も短くなります。

太陽光発電の年間発電量は地域や設備条件によって異なりますが、一般的には冬季の発電量が春から夏に比べて低下する傾向があります。

さらに、日没が早まることで、夕方の電力需要が増える時間帯に太陽光発電の供給を期待しにくくなります。

今週は日中平均が15.32円/kWhだった一方、夕方平均は32.89円/kWhとなり、17円以上の価格差がありました。

このような時間帯別の価格差は、冬に向かうにつれて市場の重要な特徴になる可能性があります。

まとめ|東高西低が続く電力市場、11月は北海道・東京に注目

2026年10月第5週のJEPXスポット市場は、週間平均が前週から低下したものの、東京を中心とした東日本の価格は依然として高い水準にありました。

10月26日と30日にはシステムプライスの日平均が30円/kWhを超え、悪天候などによる供給力の変化が価格形成に影響した可能性があります。

一方、西日本では四国を中心に安値が続き、日平均で10円/kWhを下回る日も発生しました。

北海道では前週のような100円を超える極端なスパイクは見られませんでしたが、30円/kWh以上の時間帯はむしろ増えており、今後も注意が必要です。

次週11月2日~8日については、週間平均システムプライスを22~29円/kWh程度と予測しています。

特に注目したいのは、北海道・東北の暖房需要、東京エリアの高値継続、夕方の太陽光発電量の減少、そしてLNG・石炭・原油価格の高止まりです。

11月は、年間を通じても電力需要と再生可能エネルギーの供給構造が変化する時期にあたります。

筆者としては、単にスポット価格の高低だけを見るのではなく、日中と夕方の価格差、地域間の価格差、北海道の高値発生回数などを継続して観測することで、電力市場の変化を捉えていきたいと考えています。

来週も引き続き、JEPXスポット市場の動向に注視したいところです。

最新記事一覧

出典・引用

▶日本卸電力取引所(JEPX)の公式ページはこちら
▶気象庁の季節予報公式ページはこちら
▶気象庁の季節予報解説資料の公式ページはこちら
▶資源エネルギー庁の再生可能エネルギー解説ページはこちら
▶資源エネルギー庁の電力需給バランス解説ページはこちら
▶資源エネルギー庁のエネルギー動向公式ページはこちら

※本記事に掲載しているJEPXスポット価格、エリアプライス、時間帯別価格、約定総量などは、日本卸電力取引所が公表する市場データをもとに筆者が独自に集計・整理したものです。価格変動要因については、JEPXの価格形成制度、気象庁の気象データ、資源エネルギー庁のエネルギー関連資料などを踏まえた筆者独自の分析であり、特定の発電設備停止などとの直接的な因果関係を断定するものではありません。また、次週の価格予測は将来の市場価格を保証するものではありません。

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