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【2026年9月第1週】JEPXスポット価格|電力市場週間レポート(2026年8月31日~9月6日)

2026年9月第1週のJEPX(日本卸電力取引所)スポット市場は、週前半にかけて市場価格が上昇し、特に中部から西日本にかけて高いエリアプライスが形成される展開となりました。一方で、週後半に入ると気温の低下や休日需要の減少などを背景に価格は急速に低下しており、「週前半の上昇」と「週末の反落」が鮮明に分かれた一週間となっています。

2026年8月31日~9月6日の週間平均システムプライスは21.11円/kWhとなりました。前週8月24日~30日の22.66円/kWhから1.55円/kWh低下し、前週比では約6.8%の下落です。ただし、日別で見ると8月31日の22.10円/kWhから9月1日25.07円/kWh、9月2日25.15円/kWh、9月3日26.37円/kWhまで上昇しており、週前半の平日に限れば前週を上回る高値圏で推移しました。

その後、9月4日は21.36円/kWh、9月5日は14.49円/kWh、9月6日受渡分は13.25円/kWhまで低下しています。このため今週は、単純に「JEPX価格が下落した週」と見るより、「週前半は冷房需要や供給側の変動を背景に中部以西を中心として高値が続いたものの、週末にかけて夏型の需給から秋型の需給へ移行し始めた一週間」と捉える方が実態に近いと考えています。

JEPXのスポット市場は翌日に受け渡す電気を取引する一日前市場で、1日を30分単位の48商品に分けて取引します。そのため、9月6日(日)の受渡分についても9月5日時点ですでに約定しており、本記事では8月31日~9月6日の7日間を対象として集計しています。

※本記事の週間平均、日平均、エリア別平均などは、JEPX公表データをもとに筆者が独自に集計・整理したものです。

2026年9月第1週のJEPXスポット価格まとめ

まず、前週の8月第5週と比較してJEPXスポット市場がどのように変化したのかを確認します。

項目8月第5週(8月24日~30日)9月第1週(8月31日~9月6日)前週比・増減
週間平均システムプライス22.66円/kWh21.11円/kWh▲6.8%
週間最高価格50.01円/kWh49.00円/kWh▲1.01円
週間最低価格10.22円/kWh8.00円/kWh▲2.22円
最高日平均25.73円/kWh26.37円/kWh+0.64円
最低日平均16.67円/kWh13.25円/kWh▲3.42円

週間平均では前週を下回りましたが、最高日平均は前週の25.73円/kWhから今週26.37円/kWhへ上昇しています。ここが今週を分析するうえで重要なポイントです。週間平均が下がったのは、週全体を通じて価格が低かったからではなく、9月5日と6日の価格が大きく低下したことによって週間平均が押し下げられた影響が大きいとみています。

8月31日から9月3日までは20円台前半から20円台後半まで価格が切り上がっており、この期間だけを見るとJEPXスポット価格は明確な上昇傾向でした。特に中部、北陸、関西、中国、四国などでは、全国のシステムプライス以上にエリア価格が上昇する時間帯もあり、地域による需給環境の違いが表れています。

JEPX週間平均は21.11円/kWh|前週比6.8%低下

2026年8月31日~9月6日の週間平均システムプライスは21.11円/kWhでした。前週の22.66円/kWhから約6.8%低下していますが、依然として20円/kWhを超える水準です。

日別では次のように推移しました。

日付日平均最低価格最高価格
8月31日(月)22.10円10.61円36.58円
9月1日(火)25.07円18.93円41.59円
9月2日(水)25.15円15.50円49.00円
9月3日(木)26.37円19.70円35.00円
9月4日(金)21.36円14.63円30.78円
9月5日(土)14.49円8.00円20.52円
9月6日(日)13.25円8.55円21.09円

週前半を見ると、8月31日の22.10円/kWhから9月1日25.07円/kWh、9月2日25.15円/kWh、9月3日26.37円/kWhまで上昇しています。9月3日の日平均26.37円/kWhは前週の最高日平均25.73円/kWhを上回りました。つまり、週前半の電力市場だけを見ると、8月下旬から続いていた高価格傾向がさらに強まったと見ることもできます。

一方で9月4日以降は流れが大きく変わり、9月5日には14.49円/kWh、9月6日には13.25円/kWhまで低下しました。平日と週末で10円/kWhを超える差が生じたことから、夏季の強い冷房需要が徐々に弱まり、休日の業務用・産業用需要減少が市場価格へ表れやすい季節へ移行し始めた可能性があります。

週前半は25~26円台|残暑による冷房需要が価格を押し上げ

9月に入っても厳しい暑さが続いた

週前半の価格上昇を考えるうえで、まず確認しておきたいのが気温です。気象庁の全国914地点の集計では、9月1日に最高気温30℃以上となった真夏日は454地点、このうち35℃以上の猛暑日は82地点となりました。さらに9月2日は真夏日が555地点、猛暑日が78地点となっており、9月に入っても全国的に厳しい暑さが残っていたことが分かります。

家庭だけでなく、オフィス、商業施設、物流施設、工場などでも気温上昇に伴って空調設備の稼働が増えるため、夏季の高温は電力需要を押し上げる大きな要因となります。9月1日から3日に日平均25~26円/kWhという高い市場価格が続いた背景には、残暑によって冷房需要が高止まりしたことが一定程度影響したと筆者はみています。

ただし、気温だけでJEPX価格を説明することはできません。9月3日には真夏日の地点数が大きく減少したにもかかわらず、日平均は今週最高の26.37円/kWhとなりました。ここからも、今週は需要だけでなく、太陽光発電量、各発電所の稼働状況、エリア間連系線、地域ごとの需給バランスなど複数の要因が重なって価格が形成されたと考える必要があります。

天候変化で太陽光発電量が低下した局面も

冷房需要低下だけでは価格が下がらない理由

今週もう一つ注目したいのが、天候による太陽光発電量の変化です。太陽光発電が大量に稼働する晴天時の日中は、電力市場への供給量が増えるためJEPX価格を押し下げる方向に働きます。一方、曇天や雨によって日射量が低下すると、太陽光発電所からの供給量も減少し、その分を火力発電など別の電源で補う必要が出てきます。

そのため、気温が低下して冷房需要が減ったとしても、同じ時間帯に太陽光発電量まで大きく減れば、JEPX価格が思ったほど下がらないことがあります。今週のように気温と市場価格の動きが必ずしも一致しない局面では、需要側だけではなく再生可能エネルギーの発電状況を見ることが重要です。

特にこれから秋へ向かうと、夏至の時期と比べて日照可能時間そのものが短くなっていきます。昼間の太陽光発電量だけでなく、夕方に発電量が低下し始める時間が早まることも、今後のJEPX価格を見るうえで重要な観測ポイントになってきます。

エリア別では中部23.65円、北陸21.96円、関西21.90円

2026年9月第1週のエリアプライスを見ると、9エリアすべてで週間平均は前週を下回りました。一方、価格水準そのものでは中部、北陸、関西などが引き続き高く、中部から西日本にかけて20円/kWhを超えるエリアが目立っています。

順位エリア8月第5週平均9月第1週平均前週比
1中部25.13円23.65円▲5.9%
2北陸24.58円21.96円▲10.7%
3関西24.39円21.90円▲10.2%
4東京23.56円21.77円▲7.6%
5中国21.84円20.50円▲6.1%
6四国21.45円20.06円▲6.5%
7九州19.81円18.83円▲4.9%
8東北17.41円16.77円▲3.7%
9北海道14.63円12.14円▲17.0%

最も高かったのは中部の23.65円/kWhで、北陸21.96円/kWh、関西21.90円/kWh、東京21.77円/kWhと続きました。前週比では全エリアが下落していますが、中部では23円台、北陸・関西・東京では21円台を維持しています。

中国も20.50円/kWh、四国20.06円/kWhとなっており、北海道12.14円/kWhや東北16.77円/kWhと比較すると価格差は大きくなっています。中部と北海道を比較すると週間平均で11円/kWhを超える差があり、9月第1週も全国一律の価格形成ではなかったことが分かります。

前週比は下落でも中部・西日本の価格は高い

ここで注意したいのは、「前週比では全エリア下落」という数字と、「中部以西を中心に価格上昇が目立った」という今週の市場動向は矛盾しないという点です。

今週は8月31日から9月3日にかけて価格が上昇した一方、9月5日、6日に大幅に低下しました。そのため7日間の平均値では前週を下回っていますが、週前半には中部から西日本を中心に高いエリア価格が形成される場面がありました。

また、前週の8月第5週は関西24.39円/kWh、四国21.45円/kWhなど、もともと西日本が大きく上昇した週でした。その高い水準から下落しているため、前週比マイナスだけを見て「価格が通常水準まで戻った」と判断するのは早いでしょう。

今後もシステムプライスだけでなく、中部、関西、中国、四国、九州などのエリアプライスがどの程度まで下がっていくのかを継続して確認する必要があります。

週後半は市場価格が急低下|秋型の需給へ移行か

9月3日に26.37円/kWhまで上昇したシステムプライスは、9月4日に21.36円/kWh、9月5日14.49円/kWh、9月6日13.25円/kWhまで低下しました。わずか3日間で日平均が半分近い水準まで下がったことになります。

背景として考えられるのが、気温低下と週末需要の減少です。夏季のJEPX市場では、気温が高い平日に家庭、オフィス、商業施設、工場などの冷房需要が重なることで価格が上昇しやすくなります。しかし気温が低下し、さらに土曜日・日曜日となれば業務用・産業用の電力需要も減少するため、市場価格には強い下押し圧力がかかります。

今週の動きを見る限り、2026年夏の電力需要ピークはひとまず越えつつある可能性があります。ただし、9月になったからといってJEPX価格が一方向に低下していくとは限りません。気温、天候、太陽光発電量、火力発電所の稼働状況などによって、平日を中心に再び20円台後半まで上昇する可能性は残っています。

秋に向けて発電燃料価格にも注意

中東情勢はLNG・原油調達の上振れリスク

今後のJEPX市場で注意したいのが、LNGや原油など発電燃料を取り巻く環境です。資源エネルギー庁は中東情勢の緊迫化を踏まえ、石油や関連製品の安定供給に関する情報を継続的に公表しています。日本は化石燃料の大部分を海外から輸入しており、特に原油の中東依存度は9割を超えています。LNGについては調達先の多角化が進んでいるものの、中東情勢や国際的なエネルギー需給の変化は調達価格の上振れリスクとなります。

日本のJEPX価格は電力需要だけではなく、火力発電の限界費用にも影響を受けます。そのため、冷房需要が減少しても、LNGや原油などの発電燃料コストが高止まりすれば、秋季のJEPX価格が例年ほど低下しない可能性があります。

当サイトでは、LNG、石炭、原油など発電燃料に関連する市場価格についても「発電燃料価格 最新データ」で定点観測しています。JEPX価格を見る際には、気温だけではなく発電燃料価格の動きも併せて確認しておきたいところです。

筆者の視点|次週9月7日~13日のJEPX価格を予測

週間平均17~20円/kWh、中心は18円台を予想

筆者は、次週となる2026年9月7日~13日のJEPX週間平均システムプライスについて、17~20円/kWh程度を中心レンジとして予想します。中心値としては18円台を想定しており、今週の21.11円/kWhからはやや低下する見通しです。

気象庁が9月3日に発表した1か月予報では、全国的に気温が高めとなる傾向が示されています。一方で季節そのものは秋へ向かっているため、8月と同じ水準の冷房需要が続くとは考えにくく、電力需要の絶対量は徐々に減少していくとみています。

筆者の次週予想は次の通りです。

指標次週予想
週間平均システムプライス17~20円/kWh
中心予想18円台/kWh
平日日平均18~22円/kWh程度
休日の日平均13~17円/kWh程度
日中の安値局面10円台前半~半ば
夕方の高値局面25~35円/kWh程度
中部・西日本の上振れ時40円/kWh前後の可能性

もちろんJEPX価格は日々の気象条件や発電設備の稼働状況によって変化するため、この数字は将来の価格を保証するものではありません。ただし、現在の市場環境を考えると「夏の20円台前半から徐々に低下するものの、例年の秋季ほど大きくは下がらない」というシナリオを基本としています。

予想理由① 夏のピークを越えて冷房需要が低下

次週の価格低下を予想する最大の理由は、冷房需要の減少です。9月第1週には9月1日、2日に全国各地で真夏日・猛暑日が多く観測されましたが、今後は季節の進行に伴って最高気温が徐々に低下していきます。

最高気温が30℃を下回る地域が増えれば、家庭だけでなくオフィスや商業施設でも空調の稼働時間が短くなります。夏季のJEPX価格を押し上げてきた大きな需要要因が弱まることで、週間平均は今週の21.11円/kWhから17~20円/kWh程度へ低下するとみています。

予想理由② 太陽光発電量の低下が価格下落を抑える

一方で、JEPX価格が一気に10円/kWh前後まで下がるとも考えていません。秋へ向かうにつれて日の入りが早くなり、太陽光発電所が十分な出力を維持できる時間は徐々に短くなります。

特に曇天や雨天が重なれば日中の太陽光発電量も減少します。冷房需要が下がる一方で再生可能エネルギーの供給量まで減れば、市場価格は下がりにくくなります。このため晴天時の日中には10円台前半まで下落する一方、曇天の日や夕方には20円台後半から30円台へ上昇するなど、時間帯による価格差が大きくなる可能性があります。

予想理由③ 燃料コストが秋季価格の下値を支える可能性

もう一つのポイントが発電燃料です。中東情勢を巡る不透明感が続いている状況では、LNGや原油などの調達コストが大きく低下することを前提にJEPX価格を予想することは難しいと考えています。

秋季は本来、冷暖房需要が小さくなるためJEPX価格も低下しやすい時期です。しかし2026年は、燃料調達環境が例年より不安定な状態が続けば、需要が減っても火力発電の発電原価が市場価格の下値を支える可能性があります。

この「冷房需要減少による下落圧力」と「太陽光発電量・燃料コストによる上昇圧力」が綱引きをする結果、筆者は週間平均17~20円/kWh程度を基本シナリオとしています。

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中部・西日本は次週も上振れに注意

次週についても、全国のシステムプライス以上に注目したいのが中部から西日本のエリアプライスです。今週は中部23.65円/kWh、北陸21.96円/kWh、関西21.90円/kWh、中国20.50円/kWh、四国20.06円/kWhとなり、北海道・東北と比べて高い価格水準が続きました。

気温低下によって全国的な需要は減ると予想していますが、西日本で気温が再び上昇し、同時に曇天によって太陽光発電量が減少すれば、関西、中国、四国、九州などでエリアプライスが再び上昇する可能性があります。特に夕方は太陽光発電が減少する一方で家庭需要が残りやすいため、一時的に30円/kWhを超え、中部や西日本で40円/kWh前後まで上振れするシナリオも想定しておきたいところです。

反対に、全国的に気温が低下し、晴天によって昼間の太陽光発電量が十分確保されれば、週間平均が15~17円/kWh程度まで低下する可能性もあります。次週は平均価格そのものだけでなく、中部・西日本のエリアプライスと夕方の価格がどこまで下がるかを重点的に確認したいと考えています。

まとめ|週前半は高騰、週末に下落も秋としては高値に注意

2026年8月31日~9月6日のJEPXスポット市場は、週間平均システムプライスが21.11円/kWhとなり、前週22.66円/kWhから約6.8%低下しました。しかし、週前半は8月31日の22.10円/kWhから9月1日25.07円/kWh、9月2日25.15円/kWh、9月3日26.37円/kWhまで上昇しており、9月に入っても高値圏が続きました。

エリア別では中部23.65円/kWhが最も高く、北陸21.96円/kWh、関西21.90円/kWh、東京21.77円/kWh、中国20.50円/kWh、四国20.06円/kWhと続きました。前週比では9エリアすべて下落したものの、中部から西日本にかけて相対的に高い価格水準が維持されています。

週前半の高値には残暑による冷房需要が影響したとみられる一方、天候による太陽光発電量の変動など供給側の条件も無視できません。その後、9月5日は14.49円/kWh、9月6日は13.25円/kWhまで低下しており、夏の需要ピークから秋の低需要期へ移行し始めている様子も確認できます。

EnergyTrendでは次週9月7日~13日の週間平均システムプライスを17~20円/kWh程度、中心値を18円台と予想します。冷房需要の減少によって価格は今週より低下するとみていますが、中東情勢を背景とした発電燃料の調達リスクや、秋へ向かって太陽光発電の供給時間が短くなることを考えると、従来の秋季よりは高い価格水準で推移する可能性があります。

今後は「気温」「太陽光発電量」「発電燃料価格」「中部・西日本のエリアプライス」の4点を特に注視していきたいところです。EnergyTrendでは今後も週間平均価格、日別価格、エリアプライス、時間帯別価格などを同じ基準で定点観測し、日本の卸電力市場で何が起きているのかを継続的に分析していきます。

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出典・引用

JEPX「スポット市場」の公式ページはこちら
JEPX「取引概要」の公式ページはこちら
気象庁「真夏日などの地点数」の公式ページはこちら
気象庁「季節予報」の公式ページはこちら
気象庁「2週間気温予報」の公式ページはこちら
資源エネルギー庁「中東情勢を踏まえた石油及び関連製品等に関する対応」の公式ページはこちら

本記事に掲載しているJEPXスポット価格、エリアプライスなどは、日本卸電力取引所が公表する市場データをもとに筆者が独自に集計・整理したものです。端数処理などによりJEPXの表示値とわずかな差が生じる場合があります。また、価格変動要因および次週の市場見通しについては、JEPX、気象庁、資源エネルギー庁などの公表情報を参考にした筆者独自の分析・見解であり、将来の市場価格を保証するものではありません。

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未来のエネルギーを、今こそ本気で考える

エネルギー資源が限られた日本において、私たちがこれまでと変わらぬ豊かな暮らしを続けていくためには、新しい電力の「つくり方」と「使い方」を真剣に見直す必要があります。 環境への負荷を最小限に抑えながら、持続可能なエネルギー社会を実現する――それは国や企業だけでなく、私たち一人ひとりが取り組むべき課題です。 今こそ、再生可能エネルギーの可能性に目を向け、賢く選び、スマートに使う。その選択が、次の世代の未来を支える力になります。

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