太陽光発電事業のリスク
パワコンが故障しました!実話です。
太陽光発電所の運営において、盗難被害、自然災害、出力制御など様々なリスクがありますが、忘れた頃にやってくるのが、パワコンの故障です。当たり前の話ですが、発電する源が故障してしまっては、発電ができず、買い取ってもらうこともできません。そうなれば、売電収入も絶たれてしまい、事業として成立しなくなってしまうのです。
パワーコンディショナーの寿命は一般的に10年と言われておりますが、10年以内でも突然やってきます。私のパワコンは7年目なので、まだまだ故障することはないと完全に油断していましたが、その日はやってきました。このブログでもパワコン故障のリスクに関して、何回もお話してきましたが、まさか自分が体験することになろうとは思ってもいませんでした。
今回は、パワコン故障時にどうすればよいのかを体験談交えてお伝えできればと思います。ただ、正規の方法とは異なる内容も含まれますので、あくまで自己責任の話になります。ご留意頂ければと思います。
まさか!パワコン故障
今から遡ること約10ヶ月前、遠隔監視装置1台のエラーメッセージを受信しました。「系統不足電圧」という見慣れないエラーメッセージです。発電量は0の表示になっています。不審に思いながら、翌日に現地へ行くと赤いランプが点灯していました。色々と試してみるも復帰せず、赤ランプの点灯したままで、完全に故障していました。
パワコン故障の理由としては、水没、落雷、飛来物がありますが、メーカーに回収してもらいましたが、具体的な理由は分からず、自然故障ということでした。
このように突然、パワコンが故障した際に、まず行うことはメーカーへの故障連絡です。代理店経由で設置した場合には、代理店経由で連絡しましょう。パワコンにはメーカー保証がついており、保証期間内に自然故障した場合は、無償で交換又は修理をしてもらえます。メーカーに連絡する際には保証書や製造番号を求められますので、事前に手元に用意しておくことをお勧めします。
当初、私も保証期間内でしたので、無償で交換してもらえると安心していました。しかし、今は半導体が品薄ということで、代理店より最低でも2〜3ヶ月待ちと言われてしまいました。この時点ではまだ、仕方がないと思っていたのですが、さらにメーカーから連絡があり、早くて4〜5ヶ月待ちと言われてしまいました。信販会社のローンに付帯されている利益補償保険の条件にも合わなかったので適用できず、モヤモヤしながらまっていたのですが、当初は冬でしたので、発電量が少ない季節であり、影響は軽微だろうと考えていました。
5ヶ月を経過しても連絡が無いので、問い合わせたところ、まだ入荷見込みが立たないという回答にさすがに焦りました。なぜならもう冬が終わり間近で3月が目前に迫っていたからです。3月からは、日射量が増えますので、発電量が一気に増えます。3月から6月というのが、1年間で一番発電量が多い時期です。この時期を逃すと非常に勿体ないのです。
代理店に何度か問い合わせても「メーカーからの回答を待つしかない」と言われてしまい、完全に憔悴する日々でした。とはいえ、パワコン1台分なので、極論を言えば致命的な損失にはならず、返済も継続できるのですが、さすがに損失額が大きく膨らんできますので、なんとか損失額を最低限に食い止めようと思案していました。
パワコンを買えばいい?
そこで思いついたのが、同型の中古パワコンを買ってしまおうというものでした。何気なく見ていたサイトで、パワコンのアウトレット品が販売されているのが目につきました。そのサイトはソーラーオフという太陽光発電設備のアウトレット品販売店です。未使用品でしたがメーカー保証が切れているので、アウトレット品として販売されていたのです。定価の半額以下で販売されていたので、メーカー保証の交換品が届くまでの代替品として利用しようと思い、自費で購入しました。
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パワーコンディショナーや太陽光パネルなら太陽光部材専門店のソーラーオフ(SOLAR-OFF)へ。太陽光パネルやパワコンな…
代替品を利用する際の注意点
ここで注意点が2点あります。
●同型のパワコンと交換しないといけません。
●事前にメーカーの承諾を得なければなりません。
まず1点目が同型のパワコンでなければなりません。出力や仕様が異なるパワコンに交換した場合は、経済産業省にFIT変更申請して許可を受けなければなりません。勝手に仕様の異なるパワコンに変更した場合は、FIT認定が取り消される場合があるので、注意しましょう。
2点目は、不正改造を疑われないようにメーカーに報告して承諾を得なければなりません。私の場合もメーカーに一報入れて、「メーカー保証は切れているが自己責任で設置する」と伝えたところ承諾されました。電気工事会社を手配して、4月に入ってすぐに代替品に取り替えてもらうことができ、無事発電再開にこぎ着けることができたのです。今後、メーカーからの正規の交換品が到着すれば代替品と交換して予備パワコンとして保管しておく予定です。
備えあれば憂いなし
今回、自分自身がパワコン故障を体験して改めて感じたことは、この2点です。
●太陽光発電所の運営で大切なことは、ダメージコントロールである。
●パワコンは予備を保有しておいたほうがロスを最小限に抑えられる。
太陽光発電所の運営では収益は発電量×年数で決まっています。天候が良くて発電量が増えたとしても限定的です。あとはコストをどれだけ下げることができるかと、発電ロスをどれだけ下げられるかです。これから長い期間、発電所運営をされる方は、ダメージをどれだけ最小限に抑えられるか、を常に考えておきましょう。その為にも、安いパワコンが売っていれば、予備として保有しておいて、損はないでしょう。
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