庶民にも必要な資産運用の時代へ|太陽光発電所という新たな選択肢
「資産運用」と聞くと、かつては一部の富裕層だけが行う特別な取り組みというイメージがありました。しかし、バブル崩壊以降の長引く低金利時代により、銀行預金だけでは資産を増やすことが難しくなり、今では一般の家庭や庶民にとっても資産運用は必要不可欠な時代となっています。
さらに、平均寿命が延び「人生100年時代」と言われる現代では、年金だけに頼る生活では将来の資金不安を拭いきれません。そのため、若い世代を中心に、早期からの資産形成・運用の重要性が高まっており、多くの人が投資や副業に関心を持つようになりました。
資産運用と聞くと、「株式投資(NISA)」「FX」「仮想通貨(暗号資産)」「不動産投資」といった金融商品を連想する方が多いのではないでしょうか。これらは確かにポピュラーな資産運用の手段ですが、実は「太陽光発電所の運営」という、あまり知られていないもう一つの資産形成手段が存在します。
太陽光発電所の運営は、株式やFXのように価格変動によるキャピタルゲインを狙うものではなく、長期的かつ安定的な売電収益を得るビジネス型の投資です。これは不動産投資に近い性質を持ち、初期の設備投資こそ必要ですが、制度に基づく安定収入が見込める点が特徴です。
資産運用手法 | 主なリスク | リスクの度合い | 特徴 |
---|---|---|---|
株式投資 | 市場変動リスク | 中~高 | NISAなどの制度あり。短期売買も可能 |
FX | 為替リスク・レバレッジ | 高 | ハイリスク・ハイリターン |
仮想通貨 | 価格変動・規制変更 | 非常に高い | 値動きが大きく不安定 |
不動産投資 | 空室リスク・修繕費 | 中 | 長期収益型、初期投資が大きい |
太陽光発電 | 天候・制度変更・設備維持 | 低~中 | 安定収入・20年固定買取制度が魅力 |
資産運用の世界では、「夢のような大成功」もあれば「破滅的な損失」もあります。
例えば、よく知られた例として、ヤフーの株式を上場時に約150万円で購入し、そのまま保有していた投資家は、数億円単位の資産を築いたとされています。また、ビットコインも登場当初は1BTC=数円という時代がありましたが、現在では一時1,000万円を超えるほどに高騰しました。
しかしその一方で、バブル崩壊やリーマンショック、さらには信用取引の失敗によってすべての資産を失った方や、借金を抱えて破産した例も少なくありません。株式投資や仮想通貨は、高リターンと引き換えに高リスクも抱える典型的な投資手法と言えるでしょう。
太陽光発電所の運営に「一攫千金」はないが、安定収益は見込める
では、「太陽光発電所の運営」はどうでしょうか? 売電収益で資産が10倍、100倍に膨らむような爆発的リターンが見込めるかと聞かれれば、その答えは「No」です。太陽光発電投資は、株や仮想通貨のように短期間で大儲けを狙う投資ではありません。
しかし、これは決してデメリットではありません。むしろ、太陽光発電所の運営は、長期的で安定した収益を得たい方にとって非常に魅力的な資産運用手段です。
その理由は、政府が導入したFIT制度(固定価格買取制度)にあります。この制度により、電力会社が20年間にわたり、発電した電気を一定価格で買い取ることが法律で保証されています。そのため、売電価格の変動リスクが少なく、予測可能なキャッシュフローが見込めるのです。
つまり、太陽光発電所の運営は、株式や仮想通貨のようなボラティリティ(価格変動)が激しい投資とは対照的な、低リスクで堅実な投資モデルだと言えます。
- 爆発的な利益は狙えない
- しかし長期間にわたる安定的な収益が得られる
- 設備投資の回収も見通しが立てやすい
- 破産リスクが限定的で、リスク管理がしやすい
このように、安定収入を重視する人や、将来の生活資金を計画的に確保したい人にとって、太陽光発電は非常に相性の良い投資対象なのです。


太陽光発電所の収益体系について
太陽光発電所の運営はFIT制度が始まった2012年から急速に広まり、戸建て住宅での屋根置き太陽光発電だけでなく、地上設置型の太陽光発電所の運営が企業や投資家などの間で人気が高まりました。
FIT制度とは、再生可能エネルギーの普及促進を目的として出来た制度で、認定を受ける事で、太陽光や風力で発電した電気を、家庭用は10年間、事業用は20年間固定単価で地域の大手電力会社に買い取って貰えるというものになります。太陽光発電のFIT価格は開始当初40円/kWhからスタートしましたが、毎年減少してゆき2023年では地上設置型(50kW未満)で10円/kWhとなっています。FIT単価が下がってしまったから儲けることができないのか?という点はまた別の機会にお話しができればと思います。さて、太陽光発電の収益体系を見てみましょう。20年間の売電収入からイニシャルコストと20年分のランニングコストを差し引いた金額が20年間の総利益になるのです。

●収入
売電収益:発電量(kWh)×固定単価(円/kWh)
●イニシャルコスト
モジュール(パネル)、パワーコンディショナー、遠隔監視システム、周辺設備、土地取得費用、施工費、連係負担金etc
●ランニングコスト
返済金(金利)、メンテナンス費、遠隔監視システムの通信費、保険費、償却資産税、固定資産税(土地取得の場合)、土地賃料(賃貸の場合)、廃棄費用積み立て、電気代etc
これだけ見てもよく分かりませんよね?それでは、実際にどのくらい収益を得ることができるのか実例をみてみましょう。
実例紹介

仮定条件
・パネル容量:(DC)50kW
・年間発電量:70,000kWh
・FIT単価(売電単価):18円/kWh
・運営期間:20年間
・メンテナンス費用:10万円/年
・遠隔監視システム:3万円/年
・動産保険:3万円/年
・固定資産税/償却資産税:9万円/年
・電気料金:1万円/年
表面利回り

システム費用:約1,200万円
売電収入:126万円
表面利回り:10.5%
●システム費用とはパネル・パワーコンディショナーを含めた機器類の総費用です。概算価格の算出方法は、資源エネルギー庁発表によると1kWあたり23.6万円と掲載されており、これにパネル容量(㎾)を掛け合わせることで求められます。(50kW×23.6万円/kWで算出) ●年間売電収入の計算は年間発電量×売電単価で求められます。(70,000kWh×18円/kWhで算出) ●表面利回りは年間売電収入÷初期投資費用で求められます。(年間売電収入126万円÷初期投資費用1,200万円)
これで計算すれば、表面利回りは10.5%!利回りが10%超えとなれば相当良い資産運用になると思うかもしれません。しかし、実際には維持するためにはメンテナンス費用などの諸経費が発生しますので、これだけの収益が手元に残るわけではありません。よく広告に利回りを掲載されているのを見かけますが、表面利回りで記載されているので、実際には経費がいくら必要かを考慮し、慎重に判断しなければなりません。それでは実際にどれくらいの収益が手元に残るのかをシミュレーションしてみましょう。
実質利回り

システム費用:約1,200万円
売電収入:126万円
経費総額:26万円/年間
年間収益:100万円
実質利回り:8.3%
メンテナンス費用:10万円/年、遠隔監視システム:3万円/年、動産保険:3万円/年、固定資産税/償却資産税:9万円/年、電気料金:1万円/年の場合、年間の経費総額は26万円となります。(年間売電収入ー年間経費)÷システム費用で求めますので(126万円‐26万円)÷1,200万円で実質利回りは8.33%と算出されます。
実質利回りが8.3%!やはり高利回りですね。20年間安定的に8.3%で運用できるとするならば、理想的な試算運用になるのではないでしょうか。しかし、実は注意しておかなければならない点があります。約10年でパワーコンディショナーが寿命を迎えます。その場合、5㎾で約20万円しますので、パワーコンディショナーを実費で交換した場合の費用を想定しておかなければなりません。さらに10年後からは廃棄費用の積み立てが始まります。およそ1kWhあたり0.5円~1.5円の金額を毎月徴収されます。これも想定しておかなければならないのです。
さて、今回のシミュレーションは現金一括払いの場合となり、ローンを組んだ場合には、別途返済金や金利が発生しますので、さらに実質利回りは下がります。銀行・政策金融公庫から融資を受ける方、信販会社のローンを活用される方も多いでしょうから、ローン利用時の運用利回りは事前にキャッシュフロー計算を綿密に行わなければなりません。
資源エネルギー庁 太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度について
まとめ
資産運用のスタイルは人それぞれですが、最終的な判断基準となるのは「どれだけ資産が増えるか」と「どの程度のリスクを取るか」のバランスです。ハイリターンを狙ってリスクの高い投資に挑戦する方もいれば、安定したリターンを長期間確保したいと考える方もいます。
その中で、太陽光発電所の運営は、後者のような「手堅い資産運用」を目指す方に適した投資対象と言えるでしょう。
たとえば、国が導入している**固定価格買取制度(FIT制度)**を活用すれば、20年間にわたって発電した電気を安定価格で売電できるため、価格変動のリスクを抑えた計画的な運用が可能です。
もちろん、太陽光発電投資は「一攫千金」を狙えるような投資ではありません。**大きなリスクを取って億万長者を目指したい方にとっては、物足りなく感じるかもしれません。**しかし、その分「破産リスクが低く、予測可能な収益が見込める」点が、他の金融商品にはない魅力でもあります。
実際に私自身も、日々この太陽光発電所を運営しています。決して楽な事業ではなく、日々課題や心配ごとは尽きませんが、着実に資産を増やせる実感と、事業としての面白さを感じながら運用を続けています。
今後も、太陽光発電という資産運用の魅力を、これから始めたい方や情報収集中の方に向けて、わかりやすく発信していきたいと思います。
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【免責事項】
本記事は、太陽光発電所の運営や資産運用に関する一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、特定の投資商品や手法を推奨するものではありません。記載されている内容は筆者の個人的見解に基づくものであり、将来の収益や成果を保証するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。また、制度や法律、税制は変更される可能性があるため、最新情報については関係機関や専門家へご確認ください。
本記事の内容に基づいて被った損害や損失等について、当方は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。